深く、わかりやすく、おもしろい。
★★★★★
論語はとっつきにくい。どうしても抹香くさいイメージがある。説経くささも。けど、本書はぜんぜんちがう。おもしろい。なにより仕事の話題とリンクして読めるから、仕事にも応用できそうだ。もっとも、こんな書き方は邪道だろうけど。でも、論語をあまりにも高く持ち上げ、市井からかい離させてしまったのは、文学者たちではあるまいか。
渋沢論語が財界に受けたのも読み物にとどまらず、日々の仕事と生活で使えるように提案したからではなかろうか。中島さんの古典解読はビジネスマンには必読だと思う。「三十代まで混沌として人生の目標が定まらず、四十まで迷いに迷っていた。六十まで心がかき乱れ、七十まで失敗が続いた」とまえがきにある。孔子も人の子。はじめて同じ目線でとらえることができた。論語を遠いものにしてはいけない。