あとがき作家、というだけあり
衝撃のあとがきです。
え？どう見ても普通のあとがきじゃん、何を言うか?
ですって？

そんな方は最初のページを見てください。
何かが書いてありますよね？

物語のほうは
｢記録の国｣に批判的要素が
含まれています。
これは研究に対する批判かな。
これは確かにグロテスクだな、と感じました。

他には、
本当にあったらとんだ迷惑な国や
なにやら観点を間違えている国など
ある意味恐ろしい国ばかりです。

あ、もちろん師匠と男の旅や
シズと陸とティーの旅もありますよ。

この作品は世に起こる事件や世界的な問題等を、いかに多角的に連想させ…
読者を楽しませるというのが魅力だったのですが、最近世に起こる事件が小説を超えるものが
倍増しこの作品でさえも現実との境界がなくなってきたことが非常に残念です。
違う国で出されたベストセラー出版を自国で出し、金儲けするという問題定義も大人には
すぐに「あの国のことか…」連想できてしまうので何通りも深読みできる゜するめ゜な小説に
回帰を望みます。

様々な感想を抱き、総括して面白いと言える作品。
作中の世界観は異世界ですが、その世界は妙にリアルに感じる。それは恐らく、時雨沢恵一氏が「人」を描くのが上手いからなのでしょう。
様々な国を旅する旅人、キノが作中の主人公ですが、これがまた実に人間らしい。青臭い正義感など全く持ち合わせず、殆ど国に起こる事件やそれらの類に干渉しないのです。人によってはそれに嫌悪感を覚えるかもしれませんが、私はそんなキノに好感を覚えます。

そして対照的な存在がシズ。彼は正真正銘の善人であり、自分を犠牲にして解決しようと介入します。このキノとの対比が実に上手い。
しかもこの巻からティーも主要キャラとして加わり、一層シズサイドが面白い。もちろん師匠と弟子のコンビも相変わらずで、欲望のまま奔放に生きてます。

文章表現が面白く、そして何よりテンポが良い。それによりスラスラと手軽に読めます。 ぜひ読んでほしい一作。

この『キノの旅』シリーズは一巻からずっと愛読させていただいてます。
さてさて…今回の巻は私の中で久々のヒットとなりました(笑まず、そのヒットとなった要素はズバリ『うらがき』ですね!お気づきの方も多いと思いますが今回は今までとは違い、カバーの裏は元々空白。という概念破ってカバー裏に文章を執筆するという作者の遊び心満載の巻に仕上がっております(笑私は『キノの旅』のこのような遊び心に惹かれたのかもしれません。うらがきには作者の文だけでは無く、黒星紅白さんの素敵なイラストも載っています。まだ見ていない方はカバー裏を是非めくってみて下さいな♪きっと、もっと楽しくなると思います。

結構このシリーズは私のオススメです＾＾
けれど
今回。こちらの本は、☆４つにさせて頂ました。
理由１巻を読んでおいたほうがより一層楽しめると思ったから。
ですね♪
こちらの本だけ読むのもＯＫだと思いますが。
やっぱり¥なんで。
最初から全部読んでみてはどうでしょうか？＾＾
買って損はないと思います☆
１冊で１つの話しではないのでどこから読んでも構いませんし♪