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思想地図〈vol.2〉特集・ジェネレーション (NHKブックス別巻)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本放送出版協会
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必ずしも想像されがちな意味での世代論ではないが ★★★★☆
内容については多彩なのでとても限られた字数で包括的な感想を書く事など出来ない。ジェネレーションというテーマを厳密な意味で共有しているかすら怪しく家族、労働、民主主義、監視社会、ニコニコ動画、地域共同体、公共性といった個別で多彩なテーマが扱われていると考えた方が適切に思われる。勿論「世代間対立という罠」「ジェネレーションを思想化する」等真っ向からジェネレーションをテーマとした論考も存在する。勿論この多様性には理屈もあり、前書きによれば本書のジェネレーションは狭義の世代に留まらず、世代、出産、生殖、形成、発生、生成といった広義の意味を包括しているのだ。
ジェネレーションを語ることについて ★★★★★
 さて、第2巻目は「ジェネレーション」特集である。
 と、言いつつも、私はジェネレーションによりその特徴を取り上げ比較批評することに前々から違和感を感じてきた。「団塊」だの「ロスジェネ」だの世代を語ることは「大きな物語」につながり、大きな物語が消失した現代で、なぜその分析が必要なのだろう?
 鈴木健や入江哲郎のものが「ジェネレーション」という主題からかなり離れているが故に、かえって私にとっては一番面白かった。

# 各論文はそれぞれ興味深い点が多いことは事実だが。念のため。

# 上野千鶴子のインタービューも面白かった。相変わらずだな、この人は
 
 次は3巻目に突入である。楽しみ楽しみ。
 それと、やっぱり、フーコーの勉強は大事だね。やたら引用されている。
創造力から生成力へ ★★★★★
 「思想」というと仰々しいように聞こえるが、「ものの考え方」「自分が生きる現代・社会をどう捉えるか」「いま自分が属する社会状況の中で如何に振る舞うか」を考えることは非常に重要かつ興味深いことだと思う。

 まして、「建築」という社会性を大きく帯びた事象は、現代という時代性・社会性を無視していては到底成り立たないのは明白。もちろん、今を生きる一個人としても、自分の立ち位置に思いを巡らせることは必要だと思うが。

 思想地図 vol.2の特集は「ジェネレーション」。

 発生・生成とかかわりの深い語根genをギリシャ語より受け継ぐ語’’generation’’は、きわめて多様な意味を与えられている。手元にある辞書には、「同世代の人びと」「世代」「出産」「生殖」「形成」「発生」「生成」とあり、広い意味での〈生成〉とかかわりのある言葉であることがわかる。(まえがきより)

 そこで、本書で最も興味深かった「創造性」と「生成力」に関する、濱野智史による論考「ニコニコ動画の生成力」について少しだけ紹介。著者は、近代の情報社会における「創造性」を、「作者」ではなく「環境」に帰属するとしてそれを「生成力」と呼ぶ。

 「生成力」とは、インターネットやPCといった情報環境の土台たる「プラットフォーム」としての性能を総称したもので、具体的には、アプリケーションなどの創作物を自由に開発・追加できる「オープン性」や、その創作物が自由に参照可能であるという「共有地」としての性質が挙げられる。・・・(中略)・・・コンテンツが生み出され、流通する「環境」の設計に着目するのが、本書の狙いである。なお、アーキテクチャとは、環境の設計を通じて、人々の行動を無意識のうちに操作する規制法のことを指す。

 「建築」といえば、「建物」或いは「建物を設計すること」と思われがちだが、建物という「ハード」にこだわりすぎると本質を見失ってしまうように思う。ハードはあくまでも「舞台装置」であり、そこで「誰が何をどう演じるか」が重要。そう考えると、「建築」=「アーキテクチャ」なのも十分納得できる。

 ただ、その演技(コンテンツ)は舞台装置に大きく影響されるにもかかわらず、意外と軽視されているように感じるのは気のせいだろうか?

 例えば子供の教育に目をやると、子供にどのような教育を受けさせるのか、社会全体として非常に重要視されているのは実感できるはず。特に現代の少子化社会ではなおさらのこと。個人的には教育と同様、「建築」という舞台は「無意識」のうちに演者としての「住み手」に大きな影響を及ぼしている。

 その「意識されないこと」こそが最大の弱点でありながらも、実は最も重要なポイント。それこそまさに「プラットフォーム」としての「生成力」の典型であり、建築設計においても今後「創造力」から「生成力」への転換が求められるだろう。
微細で、巨大な問題点 ★★★★★
思想地図1、3と比べて売れていないらしい。
それは、内容の問題ではない。
私自身の感想で申し訳ないが、表紙と題(ジェネレーション)
を見たときには端的に買う気が失せた。
それはまったく内容と関係ないし、実際にこの本の内容を
見ればそんなことは気にならなくなった。ぜひ表紙だけを
見て買う気がなかなか起こらない人はぜひ手に取って読んで
欲しい。

また、内容に移すと、座談会においては思想地図1(特集
 日本)の話の続きになっていて、国家再起を狙うさいに
現業がどのようなロジックで動いているのかということを
東浩紀が、笠井、北田、西田、大屋、濱野たちと精査して
いく。最初から、アーキテクチャを取り出して議論してい
る。議論の内容の是非については皆さんに読んでいただき
たいが、私は面白かった。

ちなみに、上野千鶴子の切り返しはまったく鋭くはない。
東浩紀は、上野千鶴子に対して、「なぜ横断的な家族論を
書かないのか」と問う。それに対して「そもそも「おひとり
さまの老後」ではそれを書くつもりがなく、私の横断的な
関心を読み取れよ」ってことになってますが、
だったら「それだけを書けよ」ってことです。
上野千鶴子のインタビューは、なかなかよい ★★★★☆
すでにvol.3が出ているが、やっと読み終えた第2巻。今回の特集は、ジェネレーション。世代間格差が世の中話題になっているが、なかなかまとまった特集になっている。

面白かったのは、上野千鶴子氏のインタビュー。東氏の批判に応答するという形のものだけど、彼女の切り返す刀がとても鋭い。

鈴木健氏の「ゲームプレイ・ワーキング」という論考もコンピュータテクノロジーと労働観との関係について、考えさせられる内容だった。

その他にも、「胎動するインフラ・コミュニケーション」という情報社会に関する特集もある。こちらの特集の方が自分的には面白かった。

「ソシオフィジクスは可能か」、「再帰的公共性と動物的公共性」という二本の座談会が中心だけれど、どちらも、かなり過激。