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夢にも思わない (角川文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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中学生には勧めない ★★★☆☆
「都会のトム&ソーヤ」と同じく中学生コンビが主人公。
一人は頭が切れ、もう一人は、、、こっちのほうはあまり特技がないかな?
どこにでもいるような、ちょっと冒険好きの中学生。

でも、設定はおんなじでも後味がぜんぜん。
中学生には勧められない。
クドウさんのしたこと、そんなに悪いことかな?そう思うあたしは、もうスレちゃったオトナなのかな?

そして、島崎君はもうすこししゃべって欲しい。
言葉でなく、表情で見せてくれるんだけど、彼の考えてることは良くわからない。

島崎君も大人びているけど、やはりクドウさんのしたこと許せないのかな。。。
クドウさんよりもピアスの子のほうを大切にしてるみたいだけど、それはなぜ?
ピアスの子が自分で解決しようとしたから?
クドウさんが、男の子に守ってもらおうとしているから??

緒方くん、クドウさんのこと許してあげられないかな。彼女、悪気はなかったと思うよ、だめかな。

この終わり方はしんどすぎる。高校生になった二人はどうなるんだろう。
夢にも思わない ★★★☆☆
安心して読めるミステリー。
ラストは若さゆえのことかもしれないけど、ちょっと切ない。
もっとずるい大人なら見逃せるのかな。
ほろ苦い友情 ★★★★★
今夜は眠れないの続編。個人的には前作よりこちらのほうが好きです。
サッカー少年のぼくと親友・島崎が公園で起きた殺人事件に巻き込まれていく。同級生を助ける為に奔走するふたりがやがてたどり着いた残酷な真相とは。
「今夜は〜」ではぼくのよき理解者で相談役、冴えたアドバイスをくれる心強い相棒でもあった島崎ですが、今作ではすれ違いが発生。何を考えてるかわからない島崎の言動にもやもやしながら初めての恋に戸惑うぼく。クドウさんを意識しつつ守ってやりたいと思っちゃうところはいいなあ男の子だなあと初々しくも微笑ましく読んでたんですが、島崎との溝が深まっていくにつれやきもきする。しかもふたりが対峙した事件の真相が……つらい。宮部さんはエピソードの導入の仕方が上手いのですが、被害者が実家でどういう待遇を受けてたかを示す犬のエピソードは現実にありえそうなぶん胸が痛かった。
島崎との友情やコミカルな掛け合いなどで口当たりは軽いのですが、注意して観察していなければ見落としてしまう小さな悪意を拾わせたら宮部さんは本当に上手い。
読後感はほろ苦いのですが、島崎とぼくの変わらぬ絆と変わっていくこれからを想像させる結末に満足しました。
等身大……ではない中学生 ★★★★☆
主人公は好奇心旺盛でかなりの行動派、その親友は洞察力が鋭く知性的なクール。このお話はこの二人を軸に進んでいく。

物語序盤、突然起こる殺人事件。殺されたのはある女の子のいとこだった。
主人公はその女の子が好きで、どうにかしてその子のハートをゲットしたいと思い、真相解明に乗り出す。もちろん親友も一緒だ。
しかし、物語中盤で以前その子が親友と良い感じになっていたことを知る。「コイツもあの子のことを好きなんじゃないか? でも、それならなぜハッキリ言ってくれないのだろう」という心の葛藤、モヤモヤ。
子供が大人になろうとしている瞬間である。

宮部みゆきの作品には、面白い(共感できる)大人がしばしば登場する。ここでは敢えて書かないが、その辺も楽しみにして読んでほしい。

また、この本は「今夜は眠れない」の続編となっているので、ぜひそちらを読んでからこちらを読んでほしい。
夢にも思わない結末 ★★★★☆
“今夜は眠れない”の続編である。前作“今夜は眠れない”から話が続いているわけではないが…前作の登場人物が、物語の途中でいきなり登場したりするので、前作も読んでおいたほうが良いかと思う。
物語は、主人公・緒方雅男が思いを寄せるクドウさんの従妹・亜紀子が殺されるというところから始まる。従妹が殺人事件の被害者ということで、クドウさんはいらぬ噂が立てられたり、変な意味で注目されることになる。いってみれば、クドウさんもこの殺人事件の間接的な被害者になってしまったのだ。当然、緒方雅男は、そんなクドウさんを元気付けようとする。
事件は徐々に解決へ向かう。それとともに緒方雅男とクドウさんは仲を深めていく。そして、事件の真相は解明されたように思えた。しかし、最後の最後でどんでん返しがある。それは、主人公・緒方雅男にとってみれば「夢にも思わない」ことだった…それが本作品のタイトルになっているのだろうか?
最終的な結末は、作者なりのメッセージが込められているように感じる。ただのミステリー作品で終わらせなかったところが、「さすが、宮部ゆみき!」といった感じがした。