生物学者のグラント博士、植物学者のサトラー博士は、ハモンド財団のジョン・ハモンドから資金援助を条件に、コスタリカ沖の孤島に呼ばれる。彼らと弁護士、数学者、ハモンドの孫ふたりが、その島に到着。そこで見たのは、群れをなす恐竜だった。それらはハモンド氏が化石化した古代の蚊から採血し、その血液の中の恐竜のDNAで蘇らせた、クローン恐竜だった。この孤島を恐竜のテーマパークにしようとするハモンドだったが、グラントらは不安を覚える。そして彼らがパーク内をまわっているとき、何者かにパークの安全制御が止められ、恐竜たちは暴れ出し…。
   スティーブン・スピルバーグ監督が描いたパニックSFドラマの全3作品をまとめたボックスセット。公開時、その恐竜のリアルな描写に話題が集中したが、ジェットコースタームービーは大得意な監督ゆえに、これらの恐竜を使ったスリリングな演出も超一流！ 巨大な恐竜が車を踏みつぶし、小さいが凶暴な恐竜が人間たちを追いまわす。後半は息もつかせぬ展開で、たっぷり楽しませてくれる、まさに恐怖のテーマパークののような作品。恐竜たちに罪はなく、すべて強欲な人間が作り出した悪夢に人間が襲われるという物語は、娯楽作とはいえ、クローン問題に一石を投じる作品といってもいいかもしれない。（斎藤 香）