おもしろくなってきた
★★★★☆
今日のSFアニメの主題は、結局は人間を描くということであって、この作品の場合は主人公神名綾人の自立というところに焦点があるようだ。戦闘シーンやSF的背景はいわば装飾で、人の心の中身を描かなければ作品としての訴求力を著しく欠くことになるが、この巻ではそのあたりが微妙に表に出て、物語に深みが増した。私は、子供のころ「宇宙戦艦ヤマト」にはまっていたが、ヤマトの主人公古代進などはもう最初から自立した存在で、戦いに対するためらいはあっても、自分自身に対する心の葛藤は微塵も感じられなかった。かつては、外部にあったものが、現在は心の内部にあってそれとどう向き合って行くか、それが今日に生きる人間が共通に抱える問題である。それを徹底して表現したのが「エヴァンゲリオン」だったが、さすがにあれは粘りすぎてくどいところもあった。本作が、その主題をSFという枠組みの中でどのように表出するか、そのあたりが見所だ。
第一回「不思議王」決定戦
★★★★★
見どころ・・・イシュトリ・・黒き卵・・臨むのは目覚めぬオリン。遙かに視るは故郷、遙に見えるは今?それとも・・・。 次回DVD第四巻「玲香 vs 久遠 不思議王ナンバーワンはだれだ!!!?」(笑)世は音に満ちて・・・・。 (訳)DVD第四巻に収録されている第九話「時の祠」は、またしても一月正月に浜辺でバカンスする世界の砦テラの面々。珍しくそこに久遠を見つけた主人公綾人は三嶋玲香を見かけ二人で玲香の後を追う。そこで見つけた怪しい祠に綾人と久遠は共に足を踏み入れるのであった。・・それから一週間、遙や樹は、行方不明になった綾人、そして久遠を捜索していたが八方塞がりの状態になっていた。偶然?祠にやってきた遙は過去に、そして今も愛し続けている者との思い出の曲を口ずさむのだった・・・。そのころ祠の中では玲香と久遠が対峙していた。「あなたはオリン」「私はイシュトリ」「私もオリン?」「世界を調律する者」・・。 綾人は東京ジュピター、故郷たるその場所を視ていた。手を伸ばせばとどく・・・。帰れる。そう思ったその時、聴こえてきたのは記憶に無い、だが懐かしいあの曲。まるで帰るべき場所は此処なのだと言っているかのような・・・・。と言うような全てが見所の一本。あえてあげるなら終わりの方の遙と綾人が思い出の曲を樹そっちのけで口ずさむ雰囲気、玲香と久遠の不思議談話、です。 十一話「虚邪回路」の見所は小中千昭さんの分かり易いアダルティーな脚本です。これまでとはまた違った空気が楽しめます。(分かり易いと言っても内容がじゃありません。絵のクオリティーの高さ、魅力ある全ての登場人物、役者の演技、細かい感情表現、心理描写、挙げればきりがありません。DVDはまた、見易くなっております。ぜひ見てみましょう!(了)